T-con2003における星雲賞上半期仮ノミネーション企画の報告
前書き
本ページは、第42回日本SF大会〈T-con2003〉において実施された、『星雲賞上半期仮ノミネーション』という企画の報告です。
この企画は、「星雲賞」に関してより多くの日本SF大会参加者に興味を持ってもらうことを目的として実施されました。「星雲賞」の名は知られていても、それがSF大会の参加者ひとりひとりの意思が反映される賞である、という主旨が広く理解されているとは言えません。
企画は、メモ用紙を用意しておき、T-con2003の参加者が好きなように作品名を書いて所定のスペースに貼るだけのものでした。そこに貼られていた作品を以下のリストに示します。
企画に参加してくださったみなさまに感謝いたします。本企画は、その"結果"が重要なのではなく、多くの方々が意見を寄せてくださったことに意義があるのです。
注意点
- 本リストに挙げられている作品は、あくまでもT-con2003参加者が自由に挙げたものです。来年の星雲賞参考候補作とは直接関わりはありません。
- この企画では、いかなる選考も行っておりません。一人でも誰かがメモ用紙に記入したならば、このリストに挙がっています。
- なお、企画では自由部門についても用紙を用意したのですが、これについてはリストから外すことにしました。理由としては、「星雲賞」本来の主旨にそぐわない(いわゆる「ネタに走った」)ものが多かったためです。
- 挙げていただいたのですが、「星雲賞」の規約に合致していないものもいくつかありました。それについてはページ末尾に、理由とともに併記してありますのでそちらをご参照ください。
日本長編部門
- 『アリス―Alice in the right hemisphere』中井拓志、角川ホラー文庫
- 『死なないで』井上剛、徳間書店
- 『マルドゥック・スクランブル』冲方丁、早川書房
- 『第六大陸』小川一水、早川書房
- 『超超空の神兵―時空遡航戦艦「大和」沖縄戦に出撃す!』吉田親司、コスミック出版
- 『撲殺天使ドクロちゃん』おかゆまさき、メディアワークス
日本短編部門
- 「老ヴォールの惑星」小川一水、S-Fマガジン8月号
- 「マルドゥック・スクランブル104」冲方丁、S-Fマガジン6月号
- 「宇宙検閲」野尻抱介、S-Fマガジン4月号
海外長編部門
- 『アースシーの風―ゲド戦記V』アーシュラ・K・ル=グウィン、清水真砂子、岩波書店
- 『500年のトンネル』スーザン・プライス、金原瑞人・中村浩美、東京創元社
- 『不在の鳥は霧の彼方へ飛ぶ』パトリック・オリアリー、中原尚哉、早川書房
- 『ジーリー・クロニクル』スティーヴン・バクスター、小野田和子・古沢嘉通・他、早川書房
- 『宇宙船レッドドワーフ号』グラント・ネイラー、安原和見、河出書房新社
海外短編部門
- 「適切な愛」グレッグ・イーガン、山岸真、早川書房刊行『しあわせの理由』(ハヤカワ文庫SF)所収
- 「ロブスター」チャールズ・ストロス、酒井昭伸、S-Fマガジン8月号所収
- 「地獄とは神の不在なり」テッド・チャン、古沢嘉通、S-Fマガジン3月号
メディア部門
- 『おねがい☆ツインズ』
- 『オーバーマン・キングゲイナー』
- 『THEビッグ・オー second season』
- 『ブラッディー・マロリー』
- 『ギャラクシー・エンジェル』
- 『LAST EXILE』
- 『魔法遣いに大切なこと』
- 『ワンダバ・スタイル』
- 『キディグレイド』
- 『サムライ・ジャック』
- 『仮面ライダー龍騎』
- 『ヤングスーパーマン』
- 『デンキネコ~日本列島改造計画~』
- 『宇宙のステルヴィア』
- 『ストラトス4』
- 『サラマンダー』
- 『ラーゼフォン多元変奏曲』
- 『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』
- 『マトリックス・リローデッド』
- 『アニマトリックス』
コミック部門
- 『秘密―トップ・シークレット2巻』清水玲子、白泉社
- 『彼方から』ひかわきょうこ、白泉社
- 『獣王星』樹なつみ、白泉社
- 『ジョジョの奇妙な冒険』荒木飛呂彦、集英社
- 『エンブリヲン・ロード―たねのみち』やまむらはじめ、ワニブックス
- 『蛍火の社へ』緑川ゆき、白泉社
アート部門
- 横山宏
- 西島大介&志村弘之
- 三浦健太郎
ノンフィクション部門
- 『たかがバロウズ本。』山形浩生、大村書店
- 『趣都の誕生~萌える都市アキハバラ』森川喜一郎、幻冬舎
- 『ゾンビ映画大事典』伊東美和、洋泉社
- 『異形の惑星―系外惑星形成理論から』井田茂、NHKブックス
- 『NHK人形劇シリーズのすべて』池田憲章、伊藤秀明、エンターブレイン
- 『全怪獣怪人大事典』(上・中・下) 竹内博、インフォレスト
星雲賞規約上、認められなかったものとその理由
- 『恐竜惑星』DVD-BOX(メディア)
- TV放映作品がDVD化されても対象とならない。
- 『おねがい☆ティーチャー』(メディア)
- 放映期間が規約対象外。
- 『紅の勇者オナー・ハリントンシリーズ』デイヴィッド・ウェーバー(海外長編)
- 連続性のある作品については完結時をもって評価の対象とするので対象外。「第○巻かがいいのでその巻を推薦」というのであれば対象内。
- 『吹け、南の風』秋山完(日本長編)
- 上記同様、完結していないと思われる。
- 『ディバイデッド・フロント』高瀬彼方、角川書店(日本長編)
- 上記同様、完結していないと思われる。
- 『隻眼獣ミツヨシ』上山徹郎(コミック)
- 上記同様、完結していないと思われる。
- 『北野勇作どうぶつ図鑑』全6巻(日本長編)
- 短篇集は全体としては長編部門の対象とはならない。個々の短編は短編部門の候補となりうる。連作短編集は例外的に長編部門の対象となりうるが、本作はそのような形式ではない。