SFファンジン大賞
「SFファンジン大賞」は、2003年をもって中止となりました。現在は応募を受け付けておりません。なお、これまでSFファンジン大賞と同時に発表をおこなっていた「柴野拓美賞」については、独立した賞として継続しております。
SFファンジン大賞について
SFファンジン大賞は、その一年間に発行されたファンジンおよびその掲載作品を対象とする年次の賞で、大賞(ベストファンジン)と六つの部門賞よりなり、いずれもSFファンジン大賞選考委員会での協議によって決定されます。一九八二年の設立以来、毎年、日本SF大会の席上で選考会ならびに授賞式がおこなわれるならわしで、今年で二十二回となりました。選考委員は互選によって組織され、今回は、柴野拓美、新戸雅章、巽孝之、阿部毅、川合康雄、牧眞司の六名が、選考にあたることになっています。
一方、柴野拓美賞は、日本ファンダムに対し大きな貢献のあった人物に与えられるもの。設立は、SFファンジン大賞と同じ一九八二年ですが、これは選考委員会とは別個に、柴野氏個人が選びます。
もともと日本ファンダムには、星雲賞に先行して「ファンダム賞」という日本SFファングループ連合会議が主催する年次の賞がありました。これは日本SF界に対して功績のあったプロ/ファンに与えられるものでしたが、この賞のあり方が当時のSF界の状況とそぐわない面が出てきたため、日本SF大会参加者の投票による作品賞「星雲賞」の発足と前後して、「ファンダム賞」は取り止めになりました。
しかし、たとえばヒューゴー賞にも、ファンジン部門、ファンライター部門、ファンアーティスト部門があるように、日本でもSF大会の席上でファン活動を評価する賞があるべきではないかという考えに基づき、第二十一回日本SF大会実行委員会の働きかけにより、同大会で第一回のSFファンジン大賞が選ばれました。
ともすれば埋もれてしまいがちなファン活動を評価・応援し、優れた業績を歴史にとどめるという趣旨のこの賞は、各年の日本SF大会実行委員会の理解と協力を得てこれまで継続してきました。
これをお読みになっているみなさんへのお願いです。SFファンジン大賞は、日本SFファンダムの活動を活性化するひとつの契機であるとご理解いただき、積極的に作品(ファンジン)をご応募ください。
SFファンジン大賞リスト
- 1982年
- 1983年
- 1984年
- 1985年
- 1986年
- 1987年
- 1988年
- 1989年
- 1990年
- 1991年
- 1992年
- 1993年
- 1994年
- 1995年
- 1996年
- 1997年
- 1998年
- 1999年
- 2000年
- 2001年
- 2002年
- 2003年
1982年
- ファンジン大賞
-
『星群』
星群の会
- 創作部門
-
「汀線都市」
新戸雅章(『SF論叢』5号掲載)
-
「軌道交差」
三浦祐嗣(イスカーチェリSFクラブ『イスカーチェリ』19号掲載)
- 評論部門
-
「SF批評方法論序説」
巽孝之(『科学魔界』41号掲載)
- 翻訳・紹介部門
-
『SF年鑑81』
海外SF研究会
- アート部門
-
古川順康
(立命館大学創作同人『ILLUSION』に掲載されたイラスト)
- レイアウト部門
-
『幻視人』
幻視舎
- 柴野拓美賞
-
石原藤夫
1983年
- ファンジン大賞
-
『DIVERGENCE』
東北大学SF研究会
- 創作部門
-
「影に満ちる領土の星」
虚青裕(星群の会『星群ノヴェルズVIII』掲載)
- 評論部門
-
該当作なし
- 翻訳・紹介部門
-
『奇想天外インデックス』
総合SF研究会アンビヴァレンス
- アート部門
-
該当作なし
- レイアウト部門
-
『NOVA QUARTERLY』
- 柴野拓美賞
-
関口芳昭
1984年
- ファンジン大賞
-
『HORIZM』
慶應義塾大学SF研究会
- 創作部門
-
「コンタクト・ゲーム」
大場惑(『宇宙塵』185号掲載)
- 評論部門
-
「鏡の国の反在士」
中村融(中央大学SF研究会『BAGATELLE』2号掲載)
- 翻訳・研究部門
-
『DIVERGENCE EXTRA』
3号東北大学SF研究会
- アート・レイアウト部門
-
『トーキングヘッズ』
- 柴野拓美賞
-
矢野徹
-
巽孝之
1985年
- ファンジン大賞
-
『ぱらんてぃあ』
- 創作部門
-
「ミネルヴァの森話」
石飛卓美(星群の会『光の賢者』掲載)
- 評論部門
-
「夢みるSF」
渡辺英樹ほか(名古屋大学SF研究会『PERCEPTRON』4号掲載)
- 翻訳・研究部門
-
『ぱらんてぃあ増刊』2号
3号東北大学SF研究会
- アート・レイアウト部門
-
『SF FILE 1984』
中部学生SF交流会
- 柴野拓美賞
-
受賞者なし
1986年
- ファンジン大賞
-
『PERCEPTRON』
名古屋大学SF研究会
- 創作部門
-
「シュレーディンガーのチョコパフェ」
山本弘(星群の会『エデンの産声』掲載)
- 評論部門
-
該当作なし
- 翻訳・紹介部門
-
《THATTA文庫》
GEO
- 研究部門
-
『奇想天外(旧・新・別冊)/SF宝石インデックス・フィクション編』
SF資料研究会
- アート部門
-
該当作なし
- エディトリアルワーク部門
-
『SF FILE 1985』
中部学生SF交流会
- 特別賞
-
『MILK SOFT』
名古屋大学SF研究会
- 柴野拓美賞
-
梶尾真治
-
白柳
1987年
- ファンジン大賞
-
『イスカーチェリ』
イスカーチェリSFクラブ
- 創作部門
-
「ピエール・モンテ除霊記録」
土本鷲(星群の会『虚夢の風』掲載)
- 評論部門
-
「科学ロマンスとサイエンス・フィクションをめぐって」
永瀬唯(イスカーチェリSFクラブ『イスカーチェリ』28号掲載)
- 翻訳・紹介部門
-
『イスカーチェリ』28号
イスカーチェリSFクラブ
-
『世界の終わりと物語の始まり』
新少年社
- 研究部門
-
『SF&ミステリ翻訳帳1986年版』
ブック・ハンターズ・クラブ
- アート部門
-
該当作なし
- エディトリアルワーク部門
-
該当作なし
- 柴野拓美賞
-
山岡謙
1988年
- ファンジン大賞
-
『トーキングヘッズ』
- 創作部門
-
「飛行機械ウィリー」
周(筑波大学SF研究会『シグネット』3号掲載)
- 評論部門
-
該当作なし
- 翻訳・紹介部門
-
『バロウズ本』
北北西SF
- 研究部門
-
『特集・児童向けSF』
(埼玉大学SF研究会『マキシマム』12号掲載)
- アート部門
-
『武装音楽祭』
佐藤真理乃(個人誌)
-
『剣と魔法』
剣魔界
- エディトリアルワーク部門
-
『糟亭世』
名古屋大学SF研究会
- 柴野拓美賞
-
受賞者なし
1989年
- ファンジン大賞
-
『SFヒストリー』
SFコミューン
- 創作部門
-
「エモーショナル・レスキュー」
松尾由美&柾悟郎(お茶の水女子大学SF研究会『コスモス』31号掲載) - 評論部門
-
「神林長平論」
星野久美子(『文芸空間・会報』に連載、11号で完結)
- 翻訳・紹介部門
-
該当作なし
- 研究部門
-
『海外SFアンソロジー・インデックス』
『日本版OMNIフィクション・インデックス』
『メンズ・クラブ翻訳作品リスト(不完全版)』佐藤徹(以上、一連のSF書誌の分野での仕事に対して)
- アート部門
-
該当作なし
- エディトリアルワーク部門
-
『ペーパームーン』
東海SFの会
- 柴野拓美賞
-
若尾天星
1990年
- ファンジン大賞
-
『パラドックス』
SF創作研究会パラドックス
- 創作部門
-
「二重ラセンの悪魔」
梅原克文(『宇宙塵』188号~189号掲載)
- 評論部門
-
該当作なし
- 翻訳・紹介部門
-
『宇宙大作戦/永遠の淵に立つ都市』
スターベース神戸
- 研究部門
-
『海外SFアンソロジー・インデックス』
佐藤徹
- アート部門
-
『パラドックス』
SF創作研究会パラドックス
- エディトリアルワーク部門
-
『TORANU TあNUKI』
アンビヴァレンス
- 柴野拓美賞
-
松宮静雄
-
牧眞司
1991年
- ファンジン大賞
-
《スターベース神戸・ブックス》
スターベース神戸
- 創作部門
-
「鏡の中のActiveなダンス」
麻生新奈(お茶の水女子大SF研究会『コスモス』35号掲載)
- 評論部門
-
「SF第三の選択」
柾悟郎(『科学魔界』46号掲載)
- 翻訳・紹介部門
-
『U-TOP』2号
独書刊行会
- 研究部門
-
『宇宙大作戦を書いてきた人たち』
沖正雅(スターベース神戸)
- アート部門
-
該当作なし
- エディトリアルワーク部門
-
『BAMU』19号、20号
バム
- 柴野拓美賞
-
川合康雄
-
御前憲広
-
大橋康一
1992年
- ファンジン大賞
-
『ルナティック』
東海SFの会
- 創作部門
-
該当作なし
- 評論部門
-
「SFの変容を読む」
新島進・山本正幸・植原進一・藤井英樹(慶應義塾大学SF研究会『HORIZM』21号掲載)
- 翻訳・紹介部門
-
『別冊エレメント』14号、15号
ミレニアム・ソル
- 研究部門
-
〈ラーマに関する一連の考察〉
福江純(ハードSF研究所『Hard SF Laboratory広報』掲載)
- アート部門
-
『MOMO』2号~4号
ART WORK
- エディトリアルワーク部門
-
『浮遊ふぁんじん』
石田純一
- 柴野拓美賞
-
小林祥郎
1993年
- ファンジン大賞
-
『電子版SF図書解説総目録(1946-90年)』
SF資料研究会
- 創作部門
-
「夢現の鏡像」
石坪光司(星群の会『星群』71号掲載)
- 評論部門
-
該当作なし
- 翻訳・紹介部門
-
該当作なし
- 研究部門
-
『ハヤカワSF文庫1993』
名古屋大学SF研究会
-
『栗本薫&中島梓BOOK LIST 1978~1992』
薫の会
- アート部門
-
該当作なし
- エディトリアルワーク部門
-
『超絶図書館』
山本弘
- 柴野拓美賞
-
大迫公成
1994年
- ファンジン大賞
-
『パラドックス』
SF創作研究会パラドックス
- 創作部門
-
「鍋が笑う」
岡本賢一(『宇宙塵』192号掲載)
- 評論部門
-
該当作なし
- 翻訳・紹介部門
-
該当作なし
- 研究部門
-
『こうしゅうえいせい』
正(5)号(人外協)
- アート部門
-
『VISION OF UNIVERSE(パラドックスEX)』
SF創作研究会パラドックス
- エディトリアルワーク部門
-
該当作なし
- 柴野拓美賞
-
受賞者なし
1995年
- ファンジン大賞
-
該当作なし
- 創作部門
-
「牛車道」
志田海市(『ソリトン』1号掲載)
- 評論部門
-
該当作なし
- 翻訳・紹介部門
-
該当作なし
- 研究部門
-
『デカミルク』
名古屋大学SF研究会
- アート部門
-
該当作なし
- エディトリアルワーク部門
-
『みるくろうど』
ブラック・マス・ プロダクション
- 柴野拓美賞
-
林芳隆
-
福田淳一
-
武田康廣
1996年
- ファンジン大賞
-
『ソリトン』
ソリトン編集部
- 創作部門
-
「レフト・アローン」
遠藤慎一(『宇宙塵』193号掲載)
- 評論部門
-
「『猶予の月』特集」
(神林同盟『第K観界』7号掲載)
- 翻訳・紹介部門
-
該当作なし
- 研究部門
-
「コードウェイナー・スミス徹底研究」
補完機構(『アルファ・ラルファ大通り』10号掲載)
- アート部門
-
該当作なし
- エディトリアルワーク部門
-
該当作なし
- 柴野拓美賞
-
野泉
-
小山博久/小山伸子
1997年
- ファンジン大賞
-
『ボレアス』
SF同人誌ボレアス
- 創作部門
-
「三月来る」
嬉野泉(『宇宙塵』194号掲載)
- 評論部門
-
「特集・ジュール・ヴェルヌ」
(『未来趣味』5号掲載)
- 翻訳・紹介部門
-
「《人間の再発見》の夜明け前に」
榊令・祝十郎(『アルファ・ラルファ大通り』11号掲載)
- 研究部門
-
『銀河乞食軍団事典』
星海企業(株)記録出版室
- アート部門
-
該当作なし
- エディトリアルワーク部門
-
『NEWSLETTER OF S.B.K.O.』52号
スターベース神戸
- 柴野拓美賞
-
堀晃
1998年
- ファンジン大賞
-
『ソリトン』
SOLITON
- 創作部門
-
該当作なし
- 評論部門
-
「特集ネコSF」
(パラドックス編集部『PARADOX』40号掲載)
- 翻訳・紹介部門
-
『ルナティック』21号
東海SFの会
- 研究部門
-
『SF雑誌データベース ver.01』
石原藤夫(SF資料研究会発行)
-
『SF書誌の書誌』
野村真人(SF資料研究会発行)
- アート部門
-
該当作なし
- エディトリアルワーク部門
-
『JU通信復刻版』
海野十三の会
- 柴野拓美賞
-
井上博明
-
門倉純一
-
森東作
1999年
- ファンジン大賞
-
『COSMOS』
お茶の水女子大学SF研究会
- 創作部門
-
「旅行鞄」
北川茨(パラドックス編集部『PARADOX』41号掲載)
- 評論部門
-
該当作なし
- 翻訳・紹介部門
-
『中国SF資料之七』
中国SF研究会
- 研究部門
-
『BJ PRESS』8号、10号
松岡秀治
-
『調停者』5号
大原まり子ファンクラブ
- アート部門
-
該当作なし
- エディトリアルワーク部門
-
『宇宙塵版SFアトランダム』『宇宙塵版SFつれづれ草・第二版』
中谷育子編集
-
『海外SF翻訳集成』
雨宮孝
- 柴野拓美賞
-
阿部敏子
2000年
- ファンジン大賞
-
『SF書籍データベース』
石原藤夫(SF資料研究会)
- 創作部門
-
「カライナに風は輝く」
山崎竜史(『宇宙塵』196号掲載)
- 評論部門
-
該当作なし
- 翻訳・紹介部門
-
「文庫解説の系譜 一読書展開の私信として」
水鏡子
- 研究部門
-
「夏をめぐるSFの物語」
岡本俊弥
-
『岸田森全仕事 1962~1983』
武井崇(STUDIO 28発行)
- アート部門
-
藤川純一
- エディトリアルワーク部門
-
「糸納豆 EXPRESS」34号
蛸井潔
- 柴野拓美賞
-
村上栄次
-
斉藤英一
-
小浜徹也
2001年
- ファンジン大賞
-
『BJ PRESS』
松岡秀治
- 創作部門
-
該当作なし
- 評論部門
-
該当作なし
- 翻訳・紹介部門
-
「日本旅行記」
(お茶の水女子大学SF研究会『COSMOS』55号付録)
「日本旅行記2」
野田令子(個人誌)
ともにロバート・J・ソウヤーの紀行文の翻訳
- 研究部門
-
「コナン・ザ・コナン」
日本ロバート・E・ハワード愛好会
- アート部門
-
該当作なし
- エディトリアルワーク部門
-
『七十七 矢野徹先生の出版図書目録』
中谷育子(星海企業記録出版室発行)
- 柴野拓美賞
-
島田喜美子/嶋田洋一
-
高柳カヨ子
-
古田尚子
2002年
- ファンジン大賞
-
『REVIEW IKA』
古沢嘉通
- 創作部門
-
「輪の森」
電気風見鶏(杉並太郎『でならひ草子』4号掲載)
- 評論部門
-
該当作なし
- 翻訳・紹介部門
-
「特集キース・ロバーツ」
古沢嘉通(『REVIEW IKA』1号掲載)
-
「21世紀最初のロード・ダンセイニ戯曲特集」
西方猫耳教会(『PEGANA LOST』8号掲載)
- 研究部門
-
『光の街』
永瀬唯
- アート部門
-
該当作なし
- エディトリアルワーク部門
-
『神魂別冊 飛浩隆作品集III』
岡田忠宏編(神魂別冊編集部発行)
- 柴野拓美賞
-
石田純一
-
内田英夫
2003年
- ファンジン大賞
-
該当作なし
- 創作部門
-
「多様性のために」
杉並太郎(杉並太郎『でならひ草子』5号掲載)
- 評論部門
-
「二〇〇〇年の壁を越える少年たち――宮崎駿と堀田善衛」
大内史夫(パラドックス編集部『PARADOX FINAL』掲載)
- 翻訳・紹介部門
-
「英米主要SF賞受賞・候補策特集」
(海外SF同好会アンサンブル『Void Which Binds』6号掲載)
- 研究部門
-
該当作なし
- アート部門
-
該当作なし
- エディトリアルワーク部門
-
『でならひ草子』5号および別冊付録
杉並太郎
- 柴野拓美賞
-
受賞者なし
ファンジン大賞選考委員:柴野拓美、新戸雅章、巽孝之、阿部毅、川合康雄、牧眞司(2003年時)